こんにちは。
今回は、2歳前後の子どものスマホ利用について、科学的根拠と心理学的な視点から、「親としてどう関わればいいのか」をまとめました。
子育ては、親だけでなく、祖父母や兄弟、親戚など家族みんなで関わるもの。
この記事をシェアして、みんなで協力して子育てできる環境づくりに役立てていただけたらうれしいです。
2歳はどんな時期?スマホの前に知っておきたい発達の話
2歳前後の子どもは「乳幼児期」と呼ばれる時期で、
脳の神経回路が急速に発達する感受性期にあたります。
この時期は、以下のような発達が進みます。
- 言葉を覚える(語彙の爆発期)
- 社会性が芽生える(模倣・共感)
- 感情の自己コントロールが始まる
この時期の環境や関わり方が、将来の学習力や人間関係に影響を与えるとも言われています。
「スマホを見せる」のはやっぱりよくない?
🔸WHO・小児科学会のガイドライン
- 2歳未満:原則スクリーンタイムなし
- 2〜5歳:1日1時間以内(できれば親子で一緒に)
出典:
- WHO「5歳未満の子どもに関するガイドライン(2019)」
- AAP「Media and Young Minds(2016)」
一方的に動画を見続けることは、言語・共感力・集中力の発達に悪影響があると報告されています。
じゃあ「テレビならいいの?」
よくある疑問ですが、スマホとテレビには次のような違いがあります。
📱 スマホの特徴
- 顔に近い距離で見る
- 自分で自由に選べて、やめどきが難しい(自動再生など)
- YouTubeなど中毒性が高い
- 子ども一人で静かに見てしまうことが多い
📺 テレビの特徴
- 画面から離れて見る習慣がある
- 時間や内容が限定されている
- スマホに比べると比較的低い
- 家族と一緒に見る機会が多い
📌 結論:スマホのほうが依存性が高く、視聴環境も悪くなりやすいとされています。
とくに2歳前後の子どもにとっては、スマホよりもテレビの方が「親と一緒に楽しむ」ことがしやすいという意味で、比較的安全と言えるでしょう。
☝️「英語のYouTubeを見せて英語教育に」という意見もあるかもしれませんが、
実際には動画よりも会話や絵本を通じたリアルなコミュニケーションの方が効果的です。
スマホを作った人たちも、子どもには使わせない?
驚くかもしれませんが、スマホやSNSを開発した本人たちの多くが、自分の子どもには制限しているんです。
スティーブ・ジョブズ(Apple創業者)
「うちの子どもたちはiPadを使っていません」
開発者であるジョブズ氏は、子どもたちにデジタル機器を制限する家庭方針を徹底していました。
ビル・ゲイツ(Microsoft創業者)
- スマホを持たせたのは14歳になってから。
- 食事中・寝る前のスクリーン使用は禁止。
- 子どもがスマホに依存しないように、家庭内でルールを決めていたそうです。
エヴァン・スピーゲル(Snapchat創業者)
- 子どもの画面時間は週90分までという厳格な制限を導入。
テクノロジーのプロだからこそ、リスクも熟知していたと考えられます。
🌐 GoogleやMetaのCEOたちも
- Googleのスンダー・ピチャイ氏やYouTube元CEOのスーザン・ウォジスキ氏も、
「子どもには段階的に制限しながらテクノロジーを与えるべき」と発言しています。
「ダメ!」だけの声かけがNGな理由
「スマホは良くない」とわかっていても、
子どもが泣いてせがんでくると、どうしていいか迷いますよね。
でも、感情的に「ダメ!」と叱るだけでは逆効果になることもあります。
「ダメ!」だけで起こる反応
- 萎縮して親の顔色をうかがうようになる
- 親に隠れてスマホを見ようとする
- かえってスマホに執着する
🔍 自己決定理論(Ryan & Deci, 2000)では、
強制や禁止が続くと、内発的なやる気が低下するとされています。
スマホを見せたくないときの“声かけ”と“提案のコツ”
怒るよりも、子どもがワクワクできる“代わりの遊び”を提案することがポイントです。
❌ NGな言い方
「ダメ!何回言ったらわかるの!」
✅ OKな言い方
「スマホは今日はおしまいね。次はブロックで遊ぼうか?」
「面白かったね〜、今度はお外に行ってみようか?」
📌 禁止よりも“提案”が、子どもの心を動かします。
スマホより楽しい!代わりの遊びアイデア
スマホの代わりになる遊び、こんなにもあります!
✋ 感覚あそび
例:粘土、小麦粉ねんど、水遊びなど
👉 手や指を使って感覚を育てる遊びは、集中力アップにも◎
🏃♀️ 体を動かす
例:追いかけっこ、風船、ダンスなど
👉 全身を動かすことで、ストレス発散や快眠にも効果的!
📖 親子あそび
例:絵本の読み聞かせ、手遊びうたなど
👉 親子のふれあいで、安心感・愛着形成が育ちます
🍳 模倣あそび
例:おままごと、ぬいぐるみ遊びなど
👉 親の真似をすることで、想像力や社会性が育ちます
📌 子どもの「やりたい!」を満たすことで、自然にスマホから気が逸れていきます。
世界でも広がる「スマホなし子育て」
イギリスやオーストラリアでは、
「中学生まではスマホ不要」というムーブメントが親の間で広がっています。
- 子どもの心を守りたい
- 自制心が育つまでは与えない
まとめ
▶ スマホ育児のリスク
言語・感情・共感力の発達に影響が出る可能性があります。
2歳前後の子どもには、原則スマホや動画視聴は控えるのが望ましい。
▶ 「ダメ!」よりも
一方的な禁止ではなく、共感しながら代替手段を示すのが効果的。
▶ 世界の流れ
テクノロジー業界の親たちも、「子どもにスマホは遅らせる派」
▶ 大切なのは
スマホよりも、リアルなふれあいと遊びの中での学びです。
おわりに
子育てに正解はありませんが、
「その子の未来を考えたとき、どんな関わりがベストか?」をみんなで考えていきたいですよね。
「ダメ!」じゃなく、「一緒にやろうか?」
そんな優しい言葉が、親も子も笑顔にしてくれるはずです。